ごはんを炊く

鍋やフライパンなど、ふたのきっちりしまる器具でご飯を炊いてましょう。沸騰するまでの時間が短いと早く炊けます。ご飯の時だけ「ゆでる」「煮る」ではなく、「炊く(たく)」といいます。関西の方言では「煮る」が「炊く」になりますが、若い世代では「煮る」という人も多いかも。


炊飯器がなくてもおいしくご飯は炊けます。いや、炊けるようになってください! コメの科学(内部リンク)

コメ1カップ(=200ml)でだいたい170gです。コメ重量の2.2倍がめしの重さになるので、お茶碗2杯くらい?になるはず。「ご飯」は学術的にいうと「めし」です。

ちなみに、コメ1合=180ml=150gと言われることが多いのですが、コメの水分量(新米だと水分は多め)や詰め方によって、140-160gまで変動すると思います。1合は尺貫法の単位(メートル法が普及する前の日本の単位)です。ついでに…「cc」という単位は英語のcubic centimeters(立方センチメートル)の略記ですが、JISでもSI系でも使用されない単位の表記方法です。

加水量は、容積の1.2倍 重量の1.5倍。・・・ですけど、実際には厳密に決められていません。だからと言って「適当に水を入れる」では水の量が毎回バラバラになりやすく、好みの方さのご飯にならないかも。炊飯器だと、内釜にメモリが書いてありますから、それを使いましょう。鍋やフライパンなどでは、先の分量を目安にして、自分の好みの食感になるよう、加える水の量を加減してください。加水量をコメ重量の1.5倍にするか、1.52倍にするか、という違いでも炊きあがりのかたさは違うように思います。新米は水分が多く保存状態でコメの水分は変動します。よって、新米をコメ重量の1.5倍の水で炊くと柔らかいご飯になります。

1)米を研ぐ:米を磨くという意味で、「とぐ」といいます。

 米は、専用の研ぎ器などを使って研ぐこともありますが、通常は、手を使って研ぎます。今は米が砕けるのを防ぐ目的であまり力を入れてこすり洗いしなくても表面のヌカがとれたらOK。

洗う前のコメ

 (目的) 表面のヌカやごみなどを水で洗い流す。 これは家庭で精米した米です。市販の米より若干多くぬかがついているように思います。     ※無洗米は洗わなくても炊けるようにぬかを除去してあるコメです。無洗米でも洗う方がおいしい、という人もいるので、洗うかどうかは各自で決めてください。

 (方法) 米の入ったボウル(なべ)に水を入れて、2-4回洗い、水のみを捨てる。この作業を数回繰り返す。水が透明になるまで洗わなくても、2-4回洗えば十分でしょう。洗い方や水のかえ方に決まりはありません。洗わなくったって食べられます。

 下のなべの上澄みも濁っていますよね?

=コメは洗うべき?=
洗う方がコメの甘味やうまみが際立つと思いますが、洗わない方がヌカの持つビタミン類などをより摂取できます。カレー炒飯などにすれば食べられるかも?どう考えるかはあなた次第です。論より証拠、で、一度試してみてもいいのではないでしょうか。

 

2)浸水させる:吸水させるとよりおいしく炊けます。

理想は30分以上ですが、実習時間の都合もあるし、そんなに長く待てないとすると、どの程度が許容範囲でしょうか?   コメの吸水は教科書をみてください。

吸水すると、米は白っぽくなり、ふくらんできます。  浸水させずに炊くと独特の食感になります。
30分後で少しコメが膨らんだことが下記の画像からわかります。1.5Lのなべに2合の米が入っています。

浸水0分 浸水30分
浸水0分 浸水30分

 

3)炊く:沸騰するまでの時間がガスやIHだと短いから早く炊けます。

必ずきっちりふたをしてください。

①沸騰するまで「ふきこぼれ」に注意しながら強火(中火も可)で炊きます。

ふきこぼれたら、せっかく量って入れてある水が減ってしまい、結果的にかたいご飯になります!
そのためにも、なべのサイズとコメの量のバランスは重要です。

②沸騰したら中火にして10分くらいそのままにします。やはり「ふきこぼれ」に気をつけて。
③弱火で水がなくなるまで炊きます。ふたは途中でさっと開けてもかまわないので、米粒を取り出して固さを確認してください。

水がわき始めるところ     ふっとうちゅうごはん
さらに沸騰中ご飯     火を止める前のご飯

火をとめるのは、ガラスなべの壁にご飯粒が張り付き始めて水がなくなった右下の状態になった時です。「水がひいた状態」がその状態です。動画で確認してください。

ガラス鍋を使ってハロゲンヒーターでご飯を炊いているところです。水がなくなる様子がよくわかります。2合ですが、20分ほどで炊けます。

 ガラスの鍋は、ご飯が炊ける様子がよく見えて面白いですが、ひっつきやすくもあります。もし焦げなどがひっついてしまったら、重曹を入れて水を沸かし、しばらく放置すると取れやすくなると思います。フッ素樹脂加工のフライパンだと焦げ付かないかな?

4)ご飯のうんちく:あれやこれや

 みなさんは、イマドキ電子レンジでも電気冷凍冷蔵庫でもあるわけだから、いちいちコメを買ってご飯を炊かなくても、冷凍ご飯やレンチンご飯(レトルトご飯)を買ってくれば良いのでは?と思ったことがありますか?

 ※ なぜ各家庭でご飯を炊くの?
ううむ。難問です。私はご飯に求める「おいしさ」が個人によって違うからかな、と思いますが、いかがでしょうか。正解があるような、ないような。おそらく、ご飯においしさを求めない場合は何でも良いのではないかと思います。
じゃあ、ご飯のおいしさって何よ?と思ったヒトは是非一度「五感をフル回転させながら」考えてみてください。五感は平たくいうと「見た目」「香り・風味」「テクスチャー(歯ごたえ)」「味」あたり?
最近は「情報」なんてのもおいしさに影響するような。「これは無農薬栽培で1キロ●円もするのを昔ながらの鉄釜で名人が炊いた、炊きたてなんだよ!」というとおいしそうじゃないですか?

 ※ なぜ鍋やフライパンで炊くの? 
これも難問ですが、私なら野外活動や自然災害などで電気がない場合でもご飯を炊いて食べられるから、と、学術的にコメが飯に変化するサイエンスを理解するため、と答えるかな。鍋やフライパンでご飯が炊ければ、海外での生活にも役立つかも。お手製のOnigiriが素敵ディナーになったりして。それにコメ(生デンプン)に水を加えて加熱することで糊化し、消化できるαデンプンになるなんて、面白いじゃないですか。加水量を変えればこわ飯から重湯までできちゃう。コメはそもそも寒い地域では栽培できなかったのですが、今では寒い地域でもおいしいコメが作られるようになりましたし、今なお新しいコメの品種開発・炊飯器の改良などが進められているのです。コンビニおにぎりもどんどん変化していますよね。たかがご飯、されどご飯。…で、回答になってます?