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だしをひく

だしは各国の料理に用いられます。うまみ成分だけではなく、塩や脂肪、タンパク質、香気成分などが含まれている場合もあります。化学調味料やインスタントのだしも半加工品もあります。料理をおいしくするには必要不可欠なものです。

1) 日本のだし・・・にぼし かつお 昆布 その他

2) 欧米のだし・・・骨や野菜から

3) 中華のだし・・・骨や野菜、魚介類、キノコ類などから

 

1) 日本のだし

1-1)にぼし(煮干し)
 
にぼし

煮干しは主にカタクチイワシやマイワシの小さいものを加熱(字の通りで、塩水中で煮ることが多い)してから乾燥させたものです。

「ごまめ」(カタクチイワシを素干しにしたもの)と違って、ふわふわとしています。

たくさん入っているので、良いものも悪いものもありますが、良い煮干しは「へ」の字になっています。

 

【用途】

魚を丸ごと一匹使ってだしをとるので、タンパク質やアミノ酸、ナトリウム、ミネラルなどが豊富含まれています。だしが濃厚で、カルシウムも入っているので栄養価の高いだしです。欠点は、やや魚臭いことで、その臭みを消すのに、味噌をよく用います。

味噌汁には、もっともポピュラーなだしです。

 

【煮干しの前処理】

煮干しは臭みを減らし、よくだしがでるように、下ごしらえ(前処理)をすることが多いです。

煮干しの頭をとった  頭をとります。
煮干しを裂いた  背骨に並行に裂きます。

 おなかのところがちょっと
黒いです。これが【苦味】
や【臭み】になるので、とり
のぞきます。
おなかをかきだした煮干し  これで完成です。

このまま食べてもおいしい
です。
 別の完成にぼし  上のようにきれいに裂け
ませんでしたが、要は頭を
とり、おなかを掃除してあれ
ば良いのです。

裂いているのは、だしをよく
だすためです。
30gぐらいの煮干し  30gはこれくらい。だいたい
20匹くらいを裂きました。

これを1人がやると、10-20分
かかります。

 

【だしの取り方】 

水に30分程度つけてから、火にかけ、沸騰したら、火を弱めて1-3分沸騰させ続けます。その後、ざるにさらしのふきんをしいてこしとります。

  ■ 裂いた煮干しをそのまま使う場合は、こしたふきんの上にある煮干しをなべに戻し入れてください。

  ■ 【だしの取り方】は、料理書によって異なる場合があります。特に、材料の添加量はまちまちであることが多いです。美味しくだしをとろうと思えば、どうしてもたくさん材料を使うことになると思います。それはレシピ作成者が「おいしい」と思う使用量、というだけです。基本使用量はありますが、まずはそれでやってみて、次にやる時には、自分の好みのおいしさ、を見つけてみてください。

1-2) かつお

かつおぶしは、カツオの身を節(ふし)に作って茹でてから干し(なまり節)、それを燻製にしたもの(荒節:あらぶし)や、カビをつけたもの(枯節:かれぶし)を削ったもの。カツオはサバ科の魚で、さばやまぐろ、むろあじ、いわしなども同じように節にし、削り節を作ることができる。

かつお節のうまみはイノシン酸といわれます。

 かつおぶしは、削り方によって「花かつお」「糸けずり」「かつお粉」などに分かれる。

さば・むろあじ混合けずりぶし
かつおぶし
さばぶし かつおぶし
煮物や味噌汁など、濃厚なうまみを
活かした調理に使う。
すまし汁や炊き合わせなどかつおの風味
を活かした調理に使う。

 まぐろの削り節は、かつお節に入っていることもあります。混合削り節の方が安価です。

 

【だしの取り方】

(1) お湯を沸かす。

(2) 沸騰したところに削り節を入れる。削り方でうまみ成分の出方が変わることはないが、薄く削ってあるので、沸騰したところに入れるだけでOK

(3) 30秒~1分加熱してから火をとめる。

かつおがしずんだところ  → かつおが沈んだように・・・みえませんか?

(4) ざるの上にさらし木綿のふきんを敷いてこしとる。(ざるの下の黄色い液が一番だし

一連の作業は動画でどうぞ。

 

 

 さらし木綿のふきんの代わりにキッチンペーパーもあり、なのですが、キッチンペーパーだとそのまま捨ててしまう可能性が高いと思います。一番だしをとっただけならまだまだ使えますから、ふきんでこしとって何とか使う努力をしたいものです。

(5) ふきんの上のかつおを沸騰水に入れて3分くらい煮た後に同じようにこしとると、香りは少ないが濃厚な味の二番だしがとれる。だしをとったあとのかつおは、しょうゆやさとう、みりん、ゴマ、こんぶなどとともに炒りつけてふりかけにできます


実習の際には、時間が足りないから、というので「とりあえず」だしがらを全部捨ててしまわずに、一度はだしがらのふりかけを作り、食べられることを示しましょう。一番だしをとっただけなら、冷凍して二番だしをとる、のも良いと思います。

環境教育にもなるし、インスタントだしにない良さを提示できます。実はかつおぶしでだしをとると高くつくので、モッタイナイという理由も・・・。

=だしがらのふりかけ=

 かつおぶしを弱火にかけ、カラ炒りする。

 しっとりしたら、しょうゆ大さじ1、みりん大さじ1、さとう大さじ1、しお少々、を混ぜ、ゴマと砕いたピーナッツ(もしくはアーモンドスライスなどのナッツ類)を混ぜて火を止める。ちりめんじゃこや塩コンブなどを混ぜてもいいと思います。おにぎりの芯にできます。


1-3) こんぶ

昆布のうまみはグルタミン酸ナトリウム。日本の池田菊苗先生が発見したうまみ成分です。これは【味の素】という絶妙なネーミングで市販されています。

 だしをとる昆布は、羅臼昆布、利尻昆布、真昆布、日高(三石)昆布など。どのだしが良いかは好みにもよるのですが、羅臼昆布や利尻昆布は濃厚なだしが、真昆布は上品なだしがとれます。

 昆布巻きなどにする昆布は、日高(三石)昆布、長昆布、あつば昆布など

 とろろこんぶにする昆布は、がごめ昆布、ねこあし昆布など

 昆布にもいろいろ種類があり、養殖昆布も天然昆布もあります。美味しいだしが出る良い昆布は、200gで1500円くらいするもののようです。北海道や青森などの物産展などに行くとたくさんの昆布があります。

まこんぶを水につけたところ
しばらく置いたところ
こんぶ こんぶ2

 【だしの取り方】

(1) 水の2%くらいの昆布を漬けて30分くらい置きます。1リットルで10cmほどあればいいと思います。だしの出方は、昆布の種類や切り方その他で違います。

(2) 上の画像のように昆布が膨れてきます。上の画像は、真昆布の良いのを使ったもので、大きく膨れていますが、こんなに膨れない場合も多いです。低温で時間をおくと良いだしがとれます。

(3) 弱火にかけて、80℃くらいになったら(沸騰する前、ふつふつと泡が見え始める頃)昆布をとりだします。

【注意】こんぶは高温になると、増粘多糖類が溶出しやすくなり、だし汁がどろどろしてこんぶ臭くなります。昆布をつけて十分時間を置いているなら、だし汁があたたまったくらいでとりだしてかまいません。

 

 ■ 十分漬ける時間がない場合は、きれめを入れたり、こんぶを切ったりしますが、それも増粘多糖類が出やすいやり方なので、くれぐれも沸騰させないように注意してください。弱火で火にかけ、早めにとりだすのも良いと思います。

 

【八方出し】

かつおぶしと昆布を使った最強のだしです。四方八方に使える(=何にでも使える)のでその名がついています。イノシン酸とグルタミン酸ナトリウムの相乗効果が出るので、かつお節も昆布も単独の半量を使うくらいでそれぞれを補う以上の香りとうまみが出ます。

 (方法)

 ■ 最初に昆布を漬けておいて、そのだし汁を沸騰させ(沸騰する前に昆布はとりだす)、かつお節を入れて30秒ほど加熱し、かつお節が沈んだらざるにさらし木綿のふきんを置いてこす。

 

1-4) その他

日本料理で、だし(うまみ成分)がでる、というので良く用いられるのは、シイタケをはじめとするキノコ類や、魚介類などであるが、干しシイタケの戻し汁は、乾燥臭がする場合やアミノカルボニル反応による着色が調理に悪影響を及ぼす場合もあるので、必要に応じて使う。

魚介類は、「潮汁(うしおじる)」のように汁物としてそのだしの味を楽しむことが多い。

 

2) 洋風のだし

欧米独特のだしは、牛や鶏、魚の骨(あら)と香味野菜(骨やあらの臭みをとるために、タマネギやセロリ、パセリ、ローリエなどを使う)をを長時間煮込んでとる。「ブイヨン」はフランス料理の「だし」の意味で、西洋料理がフランス料理を基本にしていることが多いため、「洋風のだし」=「ブイヨン」と呼ばれる。

牛すね肉や鶏ガラなどは、水の20%程度用いる。

日本では、固形の調味料を用いることが多い。「コンソメ」はフランス料理のブイヨンを使ったスープの名前で「だし」の名前ではない。

【作り方】

牛すね肉を細かく切り、水に30分程度漬ける。その後、香味野菜とともに弱火にかけ、沸騰したら火を弱めてアクをとりながらふたをせずに1時間くらい煮込んでこす。

コンソメスープを作る時には、アクを卵白で吸着させて除去する方法がとられる。表面に脂肪が浮いている場合は脂肪を取り除く。

 

3) 中華風のだし

中華のだしは、もっぱら鶏ガラか豚骨、もしくは、干し貝柱や干し海老などの乾物からとる。

3-1) 鶏ガラだし

とりがら1 これが鶏ガラ。鶏肉屋で買ったので50円でした。
まず、黄色い脂肪をある程度除去します。

脂肪がある方がコクはでそうなのですが、鶏肉
の臭みも出てきます。

次に水で血の塊などを洗い流し、コラーゲンがで
やすいようにある程度骨を切ります。

鶏ガラいれたて ショウガは皮つきのままでいいので薄切り。
白ネギを入れる場合もあります。

ネギもショウガも鶏肉からでるだしの臭みを
消すために入れます。
 鶏ガラ2  茶色に浮いているものが「あく」です。タンパク
質が凝集する時に、不純物や脂質、ポリフェノ
ールなどを一緒に吸着してできたもの、といわ
れています。

 

あくのとりかたを動画で確認しましょう。小さい水の入ったボウルを持っているところがポイントです

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