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水ようかん

寒天の扱い

和菓子のようかんは寒天を煮詰めてつくります。


寒天の主要成分は、テングザなどを煮出してとる寒天質(アガロースやアガロペクチンなど)を固めて乾燥させたものです。水のなかで膨潤させた後に加熱して溶かすとゾルになります。それを冷やすとゲルになるのですが、寒天やゼラチンはゼリーといって、ゾル全体が固まります。寒天とゼラチンは性質も成分も異なります。

 寒天を扱うには、牛乳かん、泡雪かん、水ようかん、果汁かん、のいずれかを教材として扱います。何でもいいと思いますが、食文化的なものも意識するなら、水ようかんも良いと思います。牛乳かんは中国の杏仁豆腐、牛奶豆腐に相当するものです。


【寒天の種類】

・・・棒寒天、糸寒天、粉寒天など 粉寒天の方が溶解しやすく低濃度でゼリーを作る。

【寒天の特徴】  中性の水で最もよく膨潤し、加熱すると融解する。2%以上になると溶けにくくなる。主成分が多糖類なので、沸騰させても固まる。むしろ、寒天をよく溶かして濃度を上げる目的で煮詰めることも多い。凝固温度は高く、30℃前後であることから、室温放置でも夏以外ならかたまる。

 

【寒天の離漿(りしょう)

寒天ゼリーの網目構造が収縮し、網目構造の間に含まれていた水分子が押し出された結果、ゼリーが崩れる現象。

 

【添加物の影響】

寒天を用いてかためるものは・・・果汁、牛乳、あん、卵白泡(メレンゲ)など

1)果汁・・・有機酸は暑い寒天液に添加すると寒天ゲル形成能を阻害しやすいといわれる。ある程度冷ましてから加える

。砂糖の添加はゼリー強度を高める。

2)牛乳・・・牛乳を長時間加熱すると分離する。牛乳かんを作る場合は、シロップの比重>牛乳かんの比重にしておくとシロップ中に牛乳かんが「浮く」

。こういう時はレシピに忠実に作る方が良い。

3)あん・・・比重の大きいものを固める場合、分離しやすい。

40℃程度まで寒天液を冷ましてから餡を加えて均一にし、型に入れる。

よく煮詰めた寒天液を使った場合
あまりに詰めない寒天液を使った場合
煮詰めた寒天液のようかん 煮詰めない寒天液のようかん

 

よく煮詰めた寒天液は寒天濃度が高く、

熱いうちに餡を加えても分離しにくい。ただし、フォークがつきささるくらいのかたさで、「ようかん」に近い。

 

あまり煮詰めていない寒天液は寒天濃度が低い

。したがって、冷めてから餡を加えても分離ぎみではあるが、寒天液が熱いうちに餡を混ぜると見事に分離する。

 

寒天は「適当に煮沸させた」だけだと、溶け残りができ、結果的に寒天濃度がさらに低い状態になっていることもある。「もうそろそろ良いだろう。」と思った時点で、あと1-2分煮詰めるくらいが「ちょうどよい」かもしれない。

 

4)メレンゲ・・・比重の小さいものを混ぜる場合も40℃くらいまで冷ましてからメレンゲを混ぜる。

「泡雪かん」という和菓子になる。

 

5)二色ゼリー

・・・密度の異なるものを一緒に入れて二層にすることもあるが、通常は、下層から順番に入れて固めていく。上層ゾルは温度が高い方が接着しやすい。高温のゾルを入れたからといって、せっかく凝固した下層が溶けることはない。