現在位置: ホーム / link&授業教材 / 調理実習教材 / 食器や道具を洗う

食器や道具を洗う

年に数回しか使わない調理室です。衛生管理のため、自宅などより数倍気をつけて洗ってください。
洗剤  
洗剤・・・界面活性剤の一種
 界面活性剤なので、(水では落としにくい)油脂汚れを落とす時に使う。手荒れを
 しやすい人がいるので、通常は希釈してポンプに入れます。
ケガをしている
 人や手荒れの人のために使い捨ての手袋も常備してください。

お湯
 水の温度を上げて溶解力を高め、水溶性汚れを溶解しやすくする。
 雑菌は洗い流すだけでなく、死活させることができる。
 寒い時にはヒーター代わりにもなりますが、暑いとタイヘンです・・・。


 水溶性汚れを溶解し、食器表面の雑菌も洗い流す。

酸・アルカリ(食酢・重曹)
 水溶性汚れでもこびりついている場合は化学的に水に溶解しやすくする。合成
 洗剤をなるべく使わないようにしたい場合や、落ちにくい汚れにはこれもアリ。


シンクやコンロ、床もきれいにしないと、「ゴキブリ」、「アリ」のような害虫がいくらでも侵入します。髪の毛1本、見えない程度の残飯でも残さないようにきれいに掃除してください。

汚いシンク かびたタワシ
ヘドロのシンク 上のタワシは、もともとそんなに汚れている
ように見えなかったのかもしれませんが、
夏の暑さで微量の残存成分をエサにカビが
大繁殖しています・・・。

左のシンクはタワシ入れの下部分です。
残念ながらヘドロになってしまっています。
悪臭を放つこともありますし、
非常に不衛生です。

※ 夏休みなどの休暇前には、タワシやスポンジ、ふきんなど、使ったものを念のため煮沸消毒しておくと衛生的で良いかもしれません。煮沸消毒は塩素消毒より手軽で同等の効果があります。煮沸消毒をして日光にあてて風乾させれば大丈夫です。

 

 洗う時は、何でもポンプに入った洗剤をつけて洗ってはいけません。汚れの種類を考えてください。

 A:油脂分が少ないもの

 B:油脂がたっぷりあるもの

 C:AとBの中間的なもの

 D:こびりついた汚れ

 E:木製品

 F:衛生面に配慮の必要なもの

 それに、食器ですから、汚れだけでなく、衛生的にも除菌・殺菌する必要があります。

1) 何が『汚れ』として付着しているの?

■ お茶や水、紅茶などを飲んだコップ、白飯を盛りつけた飯椀、野菜をゆでたなべ、お浸しを入れたうつわなど

  上記のような汚れは、油脂がほとんど含まれていない汚れです。口紅やハンドクリーム・リップクリームのような油脂が付着していない限り、水洗いだけできれいに落ちます。あるいは、渇きを早くするため&消毒のためにお湯洗いするのも一案です。コップばかりでなく、コーヒーカップのソーサー、お浸しのうつわ、野菜やたまご等をゆでたなべ、のように、油脂を含まない汚れのうつわや道具はたくさんあります。

   中国茶 口紅やクリームは、調理実習時には極力
使用しないよう心がけるほうが、洗う手間
を考えるといいこともあります。

あるいは、口をつけたところだけ洗剤で洗
う方法もよいですね。
べっとりと赤い口紅がつくのは見た目にも
良いものではないと思いますので、気をつ
けてください。

 

 ■ パスタや肉料理など一般的なもの

パスタ料理      肉料理

  一般的な欧米料理や和食には、油脂も含まれていることが多いです。このような場合は、ゴムべらなどで汚れをきれいにとってから少量の洗剤をつけて、油脂に洗剤をなじませて落とします。「ふきん煮洗い用おけ」を「洗いおけ」にし、お湯と少量の洗剤(ティースプーン1杯くらい)を入れておいて、その中に汚れものを入れておきましょう。そのなかでこすれば、汚れは大変取れやすくなります。

お湯のなかに汚れたお皿をつけた場合は本来汚れが付着していない「お皿の裏側」などにも汚れが付着する可能性があるので、スポンジを使う場合に気をつけて洗ってください。

 

ゴムべらではなく、古新聞などで汚れを取ってもよいと思います。そのたびごとに古新聞を切るのではなく、きれいな箱に古新聞や着古した衣類など、捨てる前のもので再利用できそうなものを適当に切って貯めておくと便利かもしれません。

■ 揚げものバットや揚げものを入れた器など

イカのフライ     フライセット

これらは、(おいしそうですが・・・)油脂がたっぷりついています。

 油脂が多い調理の後片付けはお湯を上手に使いましょう。

揚げものの余分な油を除去する目的と、お皿に過剰の油脂が付着しないようにする目的、そして、きれい&おいしそうに見せる目的で、リングフライのように、紙を敷いておく

のがお勧めです。「天ぷらを盛り付ける皿に敷く紙(天ぷら敷き紙)も市販されています。

家で揚げ物をすると、面倒だし、油がはねたらやけどをするし、べとべとになるからほとんどしない・・・でも、お惣菜の揚げ物はアツアツとも限らないでしょう。少量の油で十分カラッと揚げられます。それに、家で揚げる方が揚げたてを食べられます。揚げたてって、おいしいんですよ。

右のように、ポテトもサラダも盛り付けたい場合は、紙を敷くのも難しそうですね。

このような場合は、洗う前に古新聞などで、付着した油を除去してください。ゴムべら作戦も有効です。 そのあと、洗剤を使いますが、洗いおけに洗剤液を作り、それを活用

します。

 

スーパーやコンビニエンスストアなどで、食器洗い用洗剤の説明書きを一度読んでみてください。

驚くほど少量で洗えることがわかります。


 【実験:お湯だけでどれだけとれるの?】

油汚れ1   油汚れ2

 これは、トマトソースの付着したお弁当箱です。お弁当箱がプラスチック製のため、よく付着しています。左が水を流してみた状態なのですが、水を弾き飛ばすぐらいの油脂量の様子。

右は、それなら・・・と、お湯だけをかけてみたもの。油がとれている様子がわかります。お湯の温度で油がはがされ、お湯とともに流れていったからです。

この後洗剤洗いすればきれいにとれます。

お弁当箱をティッシュやキッチンペーパーでふけば・・?と思ったあなた!!
考え方は正しいのです。ティッシュはパルプで燃えるゴミですから、油を汚水に入れるより環境によさそう。
だけど、ティッシュがもったいない。同じ燃やすなら、裏紙でもいいし、古新聞でもいい。
よれよれのTシャツを捨てずに切り刻み、それを使い捨てにしてもいいかもしれません。
ティッシュにはティッシュじゃないとできないことがあります。これはティッシュでなくても大丈夫です。


■ こびりついた汚れ

 こびりついた汚れは、研磨剤の入ったクレンザーなどの「磨き粉」で物理的にこすり落とすのが一番いいと思いますが、場合によっては酸やアルカリがいいこともあります。

=酸=

 クエン酸や食酢が市販品で使いやすいと思います。アルカリ性のものを中和するので、重曹などで手がぬるぬるする?と思ったら、そのあとクエン酸水で拭くなどするとぬるぬるがとれます。

 茶渋や布巾の黄ばみなどもクエン酸や食酢でとれることが多いです。

 アルカリ性の重曹で洗ったあと、クエン酸水で軽くふいて中和しておくとぬるぬるしなくなります。

 

=アルカリ=

 アルカリは主に重曹(炭酸水素ナトリウム)を使います。

 粉体やペーストを使えば「研磨剤」(≒クレンザーの代わり)につかえます。粒子がガラスなどよりも柔らかいから食器を傷つけずに汚れをこすり落とせるのです。

 弱アルカリ性で、たんぱく質を可溶化し、脂肪酸をある程度加水分解するので、汚れが落ちやすくなります。特に焦げ付きには有効なようです。消臭効果もあり。

  参考サイト:石鹸百科(http://www.live-science.com/

 

■ 木製品

 木製品は、古くから使われていますが、基本的に油脂の多い食物を扱う道具ではありません。和食には生魚を扱う調理ならたくさんあるけれど、肉料理やドレッシングを使う料理は明治以降にならないと普及してこないものです。一般的な木製品とは・・・木しゃもじ、まな板、おひつ、半切り(すしおけ)、まきす、すりこぎ、麺棒などです。サラダ用に作られた木のボウルは、そもそもボウルの材質が油脂に強いor油脂がしみ込まないようコーティングしてあることも多いです。

 ・・・木に見えて、実は木じゃなかったりする・・・かも?

 洗剤がしみ込みやすいので、お湯で洗いましょう。使ったらすぐ汚れをとることも重要です。

 

2) 洗うだけでいいの?

 食器やふきんは、汚れを落とすだけではだめで、衛生的にもきれいでなくては使えません。つまり、食中毒菌等の雑菌も除菌する必要があるのです。

二次感染の原因にならないよう、きれいに除菌しておきましょう。

■ お湯を使う・・・木製品、まな板

 雑菌は、一部を除くと高温に弱いので、熱湯を使うと除菌できます。木製品のように洗剤がしみ込みやすいものに漂白剤を使うと、よく洗っても漂白剤がしみ込んでいく可能性があるので注意してください。

 魚を切った包丁や、生卵、生肉を使ったボウルなども熱湯でさっと消毒しておくといいですね!

 

■ 煮洗いする・・・ふきん

 食器ふきんや台ふきんなどは、おけに石鹸を入れてぐつぐつ煮込んでしまいましょう。5-10分煮込めば簡単&完璧に除菌できます。そのお湯をシンクにながせばシンクも効率よく除菌できますね。最初に食器ふきんを煮込み、一度取り出してから台ふきんを煮込みましょう。床を拭く雑巾は煮込まなくても大丈夫です。

 

■ スプレー式の漂白剤を使う・・・プラスチック製まな板、包丁など

 これは手軽で完璧な除菌ができますが、使用時にかなり塩素臭がしますから、気をつけて使う必要があります。通常学校の調理実習では、児童生徒が使用するのではなく、教員や実習助手が部屋の器具管理の一環として使うのではないかと思います。

 プラスチック製のまな板は衛生的で安いので使いやすい反面、包丁がすべりやすいので気をつけてください。

 

■ 殺菌箱を使う

 布巾を完全に殺菌するのには、殺菌灯を照射するのも一案です。

 

■ 日光にあてて消毒する

 殺菌灯の光線は紫外線で、紫外線は日光にも含まれています。シミや日焼けの原因になる光線で、みなさんもUVカット化粧品を使うことがあるかもしれません。

 ヒトの肌には悪者扱いされていますが、雑菌を除去するのに日光にあてるのは良い方法です。よく、窓際にまな板が干されているのをみたことがありませんか?