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ヨウ素反応

科学教育センターの「でんぷん」も参考にしてください。

ヨウ素反応って、なんの定性反応でしょう?

正解は、でんぷんです。逆に言うと、ヨウ素ヨウ化カリウム溶液を滴下して、反応すれば、でんぷんがある、ということ。小学校理科では、植物体内に養分がある、という流れのなかで、養分=でんぷん、と説明します。種子にはたくさんでんぷんがあるのですよね。 私たちが主食にしている米(ごはん)も種子ですから、でんぷんが多く含まれます。でんぷんは炭水化物の一種です。植物にとっての養分は、ヒトにとっての栄養素でもあるのですね。

ヨウ素溶液の色(茶褐色)は、還元性物質によって薄くなります。ヨウ素がヨウ素イオンになるからです。したがって、ビタミンCの検出反応としてヨウ素溶液を使う場合もあるようです。ビタミンCが強力な還元性物質だからですが、食品中には、ビタミンC以外にも還元性物質はありますから、使える場合と使えない場合があると思います。
その他に、もやしなどの漂白剤など、鋭敏な反応だけにイロイロ検出できるようです。



 

ヨウ素(固体ヨウ素)はそのままでは水には溶けません。ヨウ化カリウムを少し溶解させてヨウ素を溶解します。2%のヨウ化カリウム溶液に0.2%の固体ヨウ素を溶解し、5-10倍くらいに希釈して使うと使いやすいかもしれません。濃度はテキストによってまちまちです。
水に溶解しない理由は・・・ヨウ素分子に極性がないので、極性溶媒である水に溶けないのです。ヨウ化カリウムでアルカリ性にすると、ヨウ素がヨウ化物イオンと結合して多原子イオンを形成するため溶解しやすくなります。


ヨウ素溶液は、うがい薬で代用することもできます。うがい薬がポピドンヨードという、ヨウ素を含む複合体(ポリビニルピロリドンとヨウ素の複合体)を含むからですが、理科の実験だったら、ヨウ素ヨウ化カリウム溶液を調製してもよさそうな気はします・・・。

うがい薬は意外に濃いので予備実験を行い、適宜希釈してください。濃すぎると、「青紫色」の予定が「黒」だの「黒褐色」だのと言われてしまいます。うがい薬の褐色をヨウ素反応と見分けられない場合もあるかもしれません。

 うがい薬とヨウ素ヨウ化カリウム溶液

うがい薬は、よく代用されますが、うまく使えるでしょうか?

下記の実験は、うがい薬をそのまま用いた時の記録です。

うがい薬との比較

赤字がうがい薬です。小麦粉やスキム

ミルクは、うまくいっているようです。

多少色の加減は違いますが・・・。

うがい薬との比較

こちらは、市販の粉砂糖。

市販粉砂糖にはデキストリンが入って

います。摩砕したシュークロースには、

何も入っていませんが、デキストリン

だと、色が違ってみえるかも。

こなにふりかけた

これは、粉末にふりかけてみました。


スキムミルクは、反応していないのですが、

もともとのうがい薬の色です。

下記で比較してみてください。

うがい薬とミルク

ヨウ素溶液のミルク

さて、あなたはどう思いますか?

でんぷんのいろいろ

 でんぷんには、アミロースアミロペクチンがあります。でも、市販のでんぷんは必ずしも2種類ではなく、種類が多いです。市販のでんぷんっていうのはですね・・・下記をご覧ください。たくさんあるでしょ。
でんぷんとしては、一種類なのですけれども、生活の中のでんぷんは多いのです。しかも、ヨウ素反応で発色が違います。高分子化合物であるのでんぷんの立体構造が違うものが存在するからです。

スーパーで、いろんなでんぷん&穀類粉末を買ってきて、調べてみました。
0.5%溶液を一度加熱して温かくし(ふっ石を1粒放りこみ、ここは手早く電子レンジで)、糊化させています。そこに1滴ヨウ素溶液をたらしました。
糊化させると、ヨウ素溶液がモクモクしてゲル中にととどまるので、色の変化がみやすいと思います。

ヨウ素反応6 これは葛粉。上澄みは青いですが、底はなんとなく赤紫色です。
ヨウ素反応7 わらび餅粉とくず粉。わらび餅粉の方が濁っています。
まだ、ゲル化してるせいです。
わらび餅粉は、さつまいもでんぷんですね。

くず粉は、ゲルが老化してサラサラになったものと思われます。くず粉はくずでんぷんです。

どっちも青いです。
 ヨウ素反応8 小麦粉は、糊化してもけんだく液です。底にアミロペクチンが沈んでいるのでしょうか。最初は緑?と思う色合いでした。小麦粉にもでんぷんはありますからね。染まります。小麦粉でんぷんは、浮き粉とよばれます。

上新粉はウルチの粉ですが、ちょっと赤紫。白玉粉はモチの粉ですから赤紫です。きれいな赤紫ですねえ。しぶい。
DVC00104.jpg コーンスターチは、ちょっとでんぷんを入れすぎました。濃い色合いが良いとは限りません。黒褐色なんて言われます。トウモロコシでんぷんです。

コーンスターチは、ブラマンジェやとろみつけに用います。あんまり使ったことのない人は、マシュマロについている白色粉末といえばわかるかも。


ヨウ素反応9 これは、片栗粉。じゃがいもでんぷんです。小学校では通常安価な片栗粉をでんぷん反応で使うと思います。教科書そのままの色合いが素敵。糊化しても透明なところも素敵かと。
教科書の演示実験で、白玉粉のような色(教科書表記と違う色)は見せられませんからね。

アミロース単体ですと、きれいな青色に。アミロペクチンは熱水でも溶解しないのですが、不純物としてのアミロースが検出されたので、青色に。
糊化したもの いろいろなでんぷんを糊化させて、発色させました。
重合度の違い

デキストリンの市販粉砂糖と、もち米を粉末にした

もの、コーンスターチ(とうもろこしでんぷん)、浮き

粉(こむぎでんぷん)です。フラッシュをたいたので

こんな感じに見えます。


参考資料:ウルチ米は、だいたい20%くらいがアミロース、モチ米は100%がアミロペクチンです。じゃがいもでんぷんもウルチ米と似たような割合ですが、コーンスターチはもう少しアミロース含有量が上がって30%くらいになるようです。

地上でんぷんと地下でんぷん:地上でんぷんは、加熱しても不透明な物が多いですが、地下でんぷんは透明になるものが多いです。

【私からあなたへの質問】
植物にはでんぷんが含まれています。それは、ヨウ素反応でもわかりますね。
葉っぱを紙に押しつけてヨウ素溶液を吹き付けると発色することがあります。

では、どんな植物でも、でんぷんがあれば、ヒトはそれを食品とみなして摂取しているのでしょうか?

答えは、NO

では、なぜ、炭水化物源になるでんぷんがあるのに、ヒトはそれを食べないのだと思いますか?