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マヨネーズとあぶら

油脂の栄養を伝えたい時、理科で、電気の通し方や油脂の性質を実験したい時、身近な食品加工実習として、オリジナルマヨを作りたい時などに。

油脂の熱量は、1gで9kcalですたんぱく質や炭水化物は1gで4kcalですから2倍以上あるのですが、油脂は体にとっては必要不可欠な栄養素です。摂取方法を考えて摂りましょう。あなたならできる!

化学的にみると、油脂は水と混ざらない物質で、比重が水より軽く(『理科年表2010』によると、0.91-0.92g/cm3くらい)、電気を通しません。調理で油脂が蒸散することはありますが、調理で使用している時に油脂が蒸発する・・・ことはあまりありません。食用油脂は常温で液体だったり、固体だったりします。

植物油

みえる「あぶら」

サラダ油やドレッシング、ラー油、バターなど、明らかに油脂であることがわかるあぶらです。揚げ物や肉・魚の脂身もあぶらがみえます。摂取しないのはダメですが、摂取し過ぎなのを減らすのは比較的簡単なあぶらです。

みえない「あぶら」

クッキーやナッツ類、パン(デニッシュペストリー)など、一見して油脂が多いとはわかりにくい食品に含まれる油脂です。マヨネーズも生クリームも油脂が多いと知っていてもつい手が伸びてしまいがちな食品のひとつです。クロワッサンサンド・・・おいしそうですけど・・。
クロワッサンサンド

 


マヨネーズ


マヨネーズを作ろう!(法律を読まずにレシピにとぶ)

JAS法での「マヨネーズ」という加工食品の定義は以下の通りです。

 半固体状ドレッシングのうち、卵黄または全卵を使用し、かつ、必須原材料(食用植物油脂と食酢もしくはかんきつ類の果汁)、卵黄、卵白、たん白加水分解物、食塩、砂糖類、はちみつ、香辛料、調味料(アミノ酸等)、酸味料および香辛料抽出物以外の原材料を使用していないものであって、原材料に占める食用植物油脂の重量の割合が65%以上のもの 

 油脂65%以上・・・実際にどれだけ油脂が含まれているのかわかりにくいのですが、下の画像のようなマヨネーズはいかがでしょう。黄色い部分が「食用植物油脂」です。卵黄のカロテンにより、黄色くなっています。

 どうやって油脂を分離させるか・・・は考えてみてください。マヨネーズは水中油滴型エマルジョンですから、食品表示でマヨネーズと記載してあるものなら誰でも簡単に作ることができます。マヨネーズはとてもおいしい調味料なので、食べたらダメ!ということではありません。油がたくさん入ってますよ~っていうことを頭に入れておいていただければ、それで良いのです。油そのものは体に必要不可欠な栄養素ですからね。脅してマヨネーズ恐怖症にしたいためにこういう教材を作っているわけではないのです!!逆に脅さない配慮が必要です。

 ■ 試してみよう!・・・カロリーハーフなどの「マヨネーズに似たクリーミードレッシング」は、同じように分離するだろうか?またその理由は?

 マヨネーズ

 

参考:ドレッシングおよびドレッシングタイプ調味料品質基準表示 第2条より (日本農林規格 (H20.10改訂)から抜粋引用)  ※農林水産省ホームページより

用語 定義
ドレッシング  次に掲げるものをいう。
1)食用植物油脂(香味食用油を除く)および食酢もしくはかんきつ類の果汁に食塩、砂糖類、香辛料等を加えて調製し、水中油滴型に乳化した半固体状もしくは乳化液状の調味料または分離液状の調味料であって、主としてサラダに使用するもの。
2)1にピクルス等の細片を加えたもの。
ドレッシングタイプ調味料  次に掲げるものをいう。
1)食酢またはかんきつ類の果汁に食塩、砂糖類、香辛料等を加えて調製した液状または半固体状の調味料であって、主としてサラダに使用するもの(食用油脂を原材料として使用していないものに限る。)
2)1にピクルス等の細片を加えたもの。
半固体状ドレッシング  ドレッシングのうち、粘度が30Pa・s以上のものをいう。
乳化液状ドレッシング  ドレッシングのうち、乳化液状のものであって、粘度が30Pa・s未満のものをいう。
分離液状ドレッシング  ドレッシングのうち、分離液状のものをいう。
マヨネーズ 上記参照
サラダクリーミードレッシング 半固体状ドレッシングのうち、卵黄およびでん粉または糊料を使用し、かつ、必須原材料、卵黄、卵白、でん粉(加工でん粉を含む。)、たん白加水分解物、食塩、砂糖類、はちみつ、香辛料、乳化剤、糊料、調味料(アミノ酸等)、酸味料、着色料および香辛料抽出物以外の原材料を使用していないものであって、原材料に占める食用植物油脂の重量の割合が10%以上50%未満のものをいう。

 

ちなみに、「ノンオイルドレッシング」は、製品100gあたりの脂質量が3g未満のドレッシングです。パスカル秒(Ps・s)は調べてみてください。粘度のSI単位です。



マヨネーズの作り方

卵黄レシチンは、だいたい油:水=8:2までの溶液を乳化することができる(油が多少多くても乳化可能)。また、卵黄:卵白=31:69(食品成分表2010より)。オリジナルレシピを計算しよう。

  生卵黄は、水分48.2%、脂質33.5%(食品成分表2010より)

  卵1個で60gだったら、殻の廃棄率が15%なので、卵黄は15.8g。その卵黄に含まれる水分は7.6g。添加する食酢を「大さじ1」(15ml)に固定する。食酢の比重を1とすれば15g。合計すると、水分が、22.6g程度なので、油脂は90.4g程度必要である。

  卵黄の脂質分を差し引いて、90.4-5.3=85.1g。植物油の比重が0.9なので、植物油は95ml必要である。

  そうすると、卵1個分の卵黄と大さじ1の食酢と、最低で95ml程度の植物油が最低必要、ということになる。マヨネーズをおいしくするためには、あと「食塩」、「砂糖」、「カラシ」、「胡椒」が必要だ。特に「カラシ」は、弱い乳化作用を持ち、植物油のあぶらっぽい味を消すので、粉カラシを少量の水で溶いて加える。そうすると、植物油は95-100ml必要と考えた方がいいかもしれない。砂糖や塩などは種類も多いので、自由に選び、味をみながら加えてもOK(入れすぎないように!!)。植物油や食酢の種類を変えても味は変わる。あとは「粘度」。乳化しさえすればOK!という時もあるけれど、ある程度の「かたさ」が欲しいので、プラスαのあぶらが必要。150ml-180mlくらい、と考えても良いと思います。

=作り方=

1) まず、食酢と卵黄、カラシをよく混ぜる。ボウルはよく乾いたものにする。卵黄の鮮度が悪いと分離しやすいので注意。 あとは、「混ぜすぎ」にも注意。卵白が入るとその分乳化しにくくなるかもしれない。清潔な手で、卵黄をすくい取るときれいに取れる。穴のあいたおたまも活用できるかも。

2) 次に大さじ1くらいの植物油を入れて泡だて器でよく混ぜる。ここでたくさん油を加えると分離しやすいので注意。また、油が冷えすぎていても分離しやすい。「泡だてる」のではなくて「混ぜる」のです。

3) 残りの植物油を少しずつ入れながら泡だて器で混ぜていく。あまり勢いよくかき混ぜるのではなく、テンポよく混ぜる方が失敗がない。だんだん固くなるので、食塩や砂糖、胡椒で味を調製する。添加する油の量はマヨネーズの好みの固さでやめる。

=おいしく作るコツ=

1) 油はなめてみてあぶらっぽくないもの。高いモノという意味ではなく、未開封のものを開けてすぐ用いるとよいです。まあ、半分以上が食用油ですから、油の味は重要といえるのです。卵は新鮮なものを使う方が乳化しやすいです。「サラダ油」という言葉の意味は、サラダに生のまま使ってもおいしく食べられる、という意味だとか。

2) 和からしと洋からし:からしには2種類あるのです。和からしは、芥子菜(Brasica junca)の種子で、つ~んとした辛味が出てきます。シニグリンという配糖体がミロシナーゼにより加水分解されてアリルイソチオシアネートが生成したためです。洋からしは白カラシ(Sinapis alba)などで、シナルビンが酵素分解されて生成する辛味成分が含まれています。粒マスタードなどで用いられます。どっちもいっしょかな~って思って適当に使うと、場合によってはエライ目にあうかも?マヨネーズ作りには・・・どっちでもお好きなほうで。マイルドな辛味がお好みなら洋からしです。<参考>食品学 第2版補訂 (2011) 東京化学同人 久保田紀久枝・森光康次郎編

2) うまくマヨネーズにならない(=乳化しない)時は・・・転相しちゃったマヨネーズの処理

  乳化剤が足りない?なら、卵黄を足してみる。

  サラサラしている・・・なら油を足す。黄身だけ入れたつもりが実は卵白も入っていたりすると、必要量の油を入れてもマヨらしくならないかもしれません。うまく乳化できてないってことなのですが、ハンドミキサーやミキサー、バーミックス、フードプロセッサなどを使うと少々荒っぽく作業しても乳化しない、ということはないようです。全部一緒に入れて機械を回す、というレシピもあるくらいで・・・

  市販(調製済み)のマヨを足してみる。(乳化剤と油を両方加えています)

  茹でたジャガイモや茹で卵などでごまかす。(←なおし方がちょっと違う・・?)

※ 油の種類を変えたり、ケチャップ・ソース・ヨーグルト・クリームチーズなんかでアレンジしたり。お酢の種類を変えても大丈夫です。


※ レシチンといえば、大豆レシチンもあります。ということは、大豆でもマヨができる・・・?
   はい。できます。

=豆乳マヨネーズ=
レシピはオリジナルです。
材料:豆乳(豆腐ができるくらいの濃いもの)50ml  ホットドッグ用マスタード 大さじ1  食酢 小さじ1  塩 小さじ1/2くらい  味の素 少々  コショウ 少々  食用油 50-100ml

作り方:泡だて器でもハンドミキサーでもできます。

  • 豆乳とホットドッグ用マスタードと酢と塩と味の素を泡だて器でよく混ぜる。
  • 少しずつ油を足していく。途中で止めて良くかき混ぜ乳化させる。
  • 最後にコショウを入れてできあがり。

 

動画で「よく混ぜる」を確認してください。大きな泡だて器の方が良く撹拌できます。


ハンドミキサーで作ると、よく撹拌できるのでもう少しかたいマヨになります。こんな感じ。