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栽培方法別にみた食品

いろいろな栽培方法別に食品を調べてみると?

1) 天然と養殖

【天然】【養殖】は、主に魚介類で用いられる表現です。養殖の場合は、生け簀などで囲ったところに稚魚(を放ち、ヒトがえさをやって飼育します。養殖される魚介類を生産量の多いものから5つ挙げると以下のようになります。

   1) ブリ(ハマチ)   2) マダイ   3) カンパチ   4) ヒラメ   5) トラフグ

他にも、イサキやウナギ、クルマエビ、イセエビ、カキ、ホタテなど、養殖される魚介類はたくさんあります。養殖することにより、品質や価格が安定するので、より安く、おいしい魚介が流通しているのです。養殖ではない、天然の魚介は、収獲量が少ないため価格が高くなり、収獲できる時期も決まっています。また、荒波にもまれて泳いだり自分でえさを探して食べたりしているので、形や脂ののりなどが異なるようです。

イワシのように養殖しなくても漁獲量が多い魚もあります。ただ、イワシは近年漁獲量が減少しているため、価格が以前のように安価ではない状態です。

サケは、毎年稚魚を放流しています。単純回帰率(来遊数(=漁獲数)をその4年前の年度の放流数で除したもの:回帰するサケの年齢は4年魚がもっとも多い)は2009年度で3.4%でした。(独立行政法人水産総合研究センター さけますセンターのWEB資料より)

イカは養殖が難しいのですが、特殊な生け簀(す)を作ると養殖できないこともないそうです。このように養殖しにくい魚介もあります。

 
養殖と天然の比較改訂版
図1はそれぞれの魚における脂質含有量を比較した結果です。

養殖魚の方が脂質量が多くなっています。

すなわち、養殖の方が「こってり」しているかもしれない、ということを示しているのです。

出典:

1)五訂日本食品標準  成分表

2)J Food Scnni vol.57   p.257-260 (1992)

 

2) 有機栽培と無機栽培

現在の改正JAS法(新JAS法)では以下のようにきめられています。

 有機農産物・・・・遺伝子組み替え技術を使用せず、化学的に合成された農薬と化学肥料を3年間使わない田畑で有機肥料のみ
            で栽培されたものに限定され(3年間農産物を作っているという実績が必要)、生産者は 認定機関の認定を受け
            なければならない。

  有機農産物加工食品・・・原料である有機農産物の持つ特性が製造又は加工の過程において保持されることを旨とし、化学的に
            合成された食品添加物及び薬剤の使用を避けることを基本として製造された加工食品で、認定機関の認定を受
            けなければならない。 ※単に「有機食品」といわれるものと同じです。

JAS 有機栽培は、有機肥料を使って栽培したもので、無農薬栽培(農薬を使わずに栽培する)や減農薬栽培(農薬の使用量を従来の50%以下にする)とは違うものです。

改正JAS法に基づいた基準をクリアした有機農産物や有機加工食品には「有機JAS」マークがつけられています。

■ 無農薬栽培という表示の場合、農薬を使用しないで、動物や昆虫などを使って駆除しながら栽培・収穫したものにつけられています。
  無農薬栽培しやすい農産物もありますが、しにくい農産物もあります。

 

 3) 露地栽培とハウス栽培

野菜

露地栽培は、温室やビニールハウスを使わない一般的な栽培方法で、ハウス栽培は、ビニールハウスを使って栽培する方法です。露地栽培は品質や生産量が天候に影響されやすいですが、出盛り期(いわゆる「旬」)の農産物を供給することができます。ハウス栽培は、露地栽培できない時期に農産物を市場に出荷する栽培方法で、 多少経費はかかりますが、天候に左右されにくく、供給量を維持できます。

 

露地栽培の方がおいしい・・・?

農産物は、日本全国ばかりでなく、世界中から日本に向けて農産物が供給されています。例えば冬のオクラはタスマニアから。かぼちゃならニュージーランド。そして、夏のブロッコリーはUSAから届けられます。関西の場合、ブロッコリーは9月下旬になると国産のものも出回り始めますが、北海道のブロッコリーからだんだん産地が南下してくるのです。冬のブロッコリーは、香川や徳島、地元大阪・兵庫などの産地になります。

自分の畑で栽培したものなら愛情もかけているし、収穫したてのものが食べられますから、おいしく感じられるのは当然と思います。

購入した野菜の「おいしさ」は、栽培方法だけに依存しないので、自分なりに考えて適切に選んでください。露地栽培の方が栄養価が高い・・・とも限りません。主要な栄養素はビタミンやミネラルですが、ミネラルは肥料の与え方や土壌の状態などにも影響を受けることも多いです。買ってすぐ調理しないなら、冷蔵庫での貯蔵の間にビタミンCなどが減少することも考えられます。すぐに調理しても、冷凍してしまうのなら同じかもしれません。でも、栄養素ばかりに注目せず、皮のかたさや香り、歯ごたえ、うま味など別の要因に着目して考えると、露地栽培とハウス栽培は違うかもしれません。

四季のはっきりしている日本では、季節を食べ物で感じることも多いものです。食生活にメリハリが出てきます。

ビタミンCは詰まるところみかん1個を食べればOK!・・・などというのは安直でしょうか?