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第3次食育基本計画

内閣府から、第3次食育基本計画が公表されました。平成28年から平成32年まで、です。

今回の重点課題は、(1)若い世代を中心とした食育の推進 (2)多様な暮らしに対応した食育の推進 (3)健康寿命の延伸につながる食育の推進 (4)食の循環や環境を意識した食育の推進 (5)食文化の継承に向けた食育の推進

で、これらの重点課題に取り組むにあたって、「子どもから高齢者まで生涯を通した取り組みを推進する」「国、地方公共団体、教育関係者、農林漁業者、食品関連事業者、ボランティアなどが主体的かつ多様に連携・協働しながら食育の取り組みを推進する」という2つの視点に留意する必要がある、と書いてありました。

ヒトは体外からエネルギー源になるものを取り込んでエネルギーを作り出します。エネルギーだけでなく、自分の体も作るし、免疫力も高めて外敵から身を守ることもしています。ヒトとしての営みをまっとうするだけなら、食事はパックに入ったゼリーやシリアルバーのようなものでも大丈夫かもしれません。
ただ、それで満足できないヒトはいるはず。食事に「おいしかった」「お腹もふくれて満足した」というような感覚を求めるヒトたち、すなわち、それが私たち人間なのです。
食事においしさを感じなくても大丈夫だよ?と言わずに、求めてほしいとも思います。食事をおいしいと感じ、食事にかかわる文化や知識などを楽しむことは、世代を超えて、年代を超えて共有できる感覚だからです。
同世代でしか共有できない会話や感覚は大切なんですが、世代を超えて共有できる感覚も大事です。なぜなら、人間社会はいろいろな世代で構成されているから、特定の世代のコミュニケーションだけでは通用しないだろうと思うからです。

「豆腐百珍」(豆腐を百通りに調理したレシピ本)や料理番付(江戸の料理屋の番付表)を作るなど、江戸時代でも、日本人はかなり食にうるさかったんじゃないかと思います。天ぷらの屋台や夜鳴きそばの屋台があるのも江戸時代。ファストフードのハシリです。煮売り屋(惣菜屋)はあれど、冷蔵庫はないし、インスタントなんて考えもしなかった時代ですから、地産地消は当たり前。火を起こして最初から作らねば食事はできません。だからその土地土地の名物が生まれ育ち、人々はいつもと違う食事や食べ物を旅行する時の楽しみにしたのです。かつお節をけずってだしをとったそばつゆなんて、今では考えられないくらい贅沢でおいしかったんじゃないかなあ。

今やお金を出せばそこそこ美味しいものがいつでも買えるし、孤食や「ながら食べ」も当たり前のようになってきているので、どうしても、今食べているものの「味や「香り」「テクスチャー」などに興味関心が向かないのではないかと感じています。でも、だからといって、テレビ番組やスポーツの話題ばかりで盛り上がってしまうのも考えもの。なぜなら、楽しく食べることはできるのですが、その時の食べ物のことは覚えていないのではないか、と思うから。
別に覚えていようがいまいが・・・と思うかもしれません。
では、逆にこちらから質問です。その食事はおいしかったですか?おいしかったとしたら、どんなふうにおいしかったでしょう。

食事そのものに対して満足感がなければ、その食事は「必要な栄養素を満たすため」だけのものですから、パックのゼリーと変わらない気がします。そうじゃなくて、食べる物や食べるコトに興味を持っていかないと、偏食の是正や食文化の維持継承、調理スキルの維持継承はできないんじゃないかな。

食事の時には、その食事そのものについても会話してみてください。

そんな会話はどうやってするの?と思ったあなた、まずは、家で食事をとる時に「これ、なかなかおいしいね、どうやって作るの?」「これはキャベツがたっぷり食べられてヘルシーだけど、今日はキャベツが安かったの?(おかずが肉キャベツ炒めのような場合)」などと聞いてみてください。たとえ「◯◯の素」で作ったものでも、頑張って作ったものを褒められると調理した人はうれしいし、会話は続くのではないかと思います。

あとは、よく噛んで早食いしないこと。早食いすると食べ物の味もわかりにくいし、また、すぐにお菓子を食べたくなっちゃうかもしれませんよ。