自然毒:ウナギの刺身?

ウナギやアナゴの刺身って、みたことありますか?
産地以外はあんまりみかけないんじゃないでしょうか。
じゃあ、何故そういう魚の刺身を見かけないんだろう…?

答えは、血清毒があるから、です。
ウナギの仲間(ウナギ目魚類:ウナギ、アナゴ、ハモ、ウツボ)には血清に自然毒があるそうです。血清は緑色をしているそうで、タンパク質の一種だそうです。60℃5分の加熱で毒性を失うので、かば焼きを食べる分には全く問題にならないと思います。白焼きでもOK。ウナギは一度蒸してからかば焼きにする地域もあります。もしかすると、毒性を消しておいしく食べる方法を模索した結果の「かば焼き」なのかもしれませんね。
日本ではまだ食中毒の症例がないそうです。
でも、血清毒でしたら、手に傷がある人はむやみに触れないはず。
ウナギ屋さんでしたら、そういうことが「常識」になっているかもしれません。

ユニークな?ものとしては、イシナギの自然毒も。イシナギ(肝臓)の有毒成分はなんとビタミンAなんです。マグロやカツオでもビタミンAの中毒になることはあるそうですが、ビタミンAの中毒量が100万IU以上のところ、イシナギの肝臓に含まれるビタミンAが10-20万IU/g程度なので、肝臓を5-10g摂取するとビタミンAの過剰症になる…という仕組み。うえの血清毒のリンクから詳細の説明を読むことができます。

自然毒として教科書あたりによく出てくるのはフグのテトロドトキシンとか、シガテラ毒魚のシガテラ毒、あとは毒キノコ、ジャガイモのグルコアルカロイド、青梅の青酸配糖体などあたりはよく出てくるかもしれませんが、食文化を知るうえでは、ウナギ目も面白いかも。ウナギは関東だと背開きにしていったん蒸した後に焼くんですが、関西は腹開きにして蒸さずに焼きます。最近では深海魚のイラコアナゴも出回ることがあるそうな。深海魚でおいしいけれど、凶暴なのだそうです。血清毒があるだけにオソロシイ…。

そろそろ秋風…ツクツクボウシが泣き止んで、金木犀の香りが漂い始める季節ですね。
後期も頑張っていきましょう!